アンサンブル・ラロ
4人の卓越した若手音楽家たちによって、2004年に結成。本物の室内楽をつくり上げてきたヨーロッパの豊かな伝統と、音楽に対する斬新で革新的なアプローチを結びつけることによって、絶えず人々の耳に響き続ける楽興の時を生み出すことが彼らの目標である。 「アンサンブル・ラロ」の名は、ロベルト・シューマンが生みだしたダヴィド同盟のラロ博士に着想を得ている。シューマンの分身であるラロ博士は、フロレスタンとオイゼビウスというふたりの人物(このふたりは、音楽におけるシューマンの二面性を体現している)の仲介役を務め、ふたつの相対する創造精神に均衡をもたらす力として描かれている。音楽議論の審判のような役割として描写されたラロ博士の姿は、因習にとらわれることなく、新しい道を見つけながら前進することの必要性を訴えている。 アンサンブル・ラロは、こうした理念のもとで斬新かつ弁証法的な形式のプログラムを絶えず追求しており、文化・音楽・文学といった異なる領域をつなぐ新たな関係性を築きあげている。また、メンバーはそれぞれソロ・アーティストとしての活躍が強く期待されるプレイヤーである。独奏作品から四重奏まで幅広い領域に渡るプログラムを演奏することによって、彼らの可能性はさらに広がるだろう。 トロウンシュタインのキームガウアー春の音楽祭、ブカレストのソノロ・フェスティバル、神戸国際芸術祭、ミュンヘンのペレリナージュ、そしてボルドーのル・フォーレなど、多くの音楽祭でアンサンブル・イン・レジデンスを務めている。数々の音楽祭における創造活動の中で沢山の仲間と出会うことによって、彼らは芸術の完全な自由を手に入れるだろう。DJとの共演による即興演奏をしたり、日本やルーマニアから来たVJと協同でメディア・ショーを企画したり、さらには俳優カール・マルコヴィックスと映像作家のリア・シンガーと共に『パウル・ウィトゲンシュタイン』やミハイル・ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』など、愛についての文学的ソワレを制作している。 現代の室内楽もレパートリーとして積極的に取り入れており、ペテリス・ヴァスクのピアノ四重奏をイギリスとドイツで初演。また、ミュンヘンのペレリナージュで行ったヴァルター・ブロウンフェルとゲオルゲ・エネスクの作品の連続公演は、絶大な賞賛を得た。 室内楽の共演者に、樫本大進、コンスタンティン・リフシッツ、アドリアン・ブレンデル、クラウディオ・ボホルケス、バイバ・スクリデ、カロリン・ウィドマン、アリナ・ポゴストキナ、マーリス・ピーターソン、マーク・パドモアなど、多くの優れた音楽家たちがいる。 バーヴァリアン・ラジオと定期的に共同制作を行うほか、アンサンブル・ラロの演奏は、NHK(日本)、SWR(ドイツ)、RRCとRRM(ルーマニア)、DRS2(スイス)、LVR(ラトヴィア)、RFI(フランス)など各国の放送局を通じて提供されている。 最近の公演に、ボスヴィル夏の音楽祭(スイス)、ザンクト・ガレン音楽祭及びグムンデン音楽祭(オーストリア)、リガ・チャンバー・ミュージック・デイズ(ラトヴィア)、シュロス・エルモー及びシュロス・フィルゼック(ドイツ)、プルシュ・フェスティバル(英国)などがある。また、2006年から年に1度、日本公演を敢行している。 2007年から2年間で3枚のCDをリリース。1枚目の“Songs and Dances of Life”は、ラジオ・フランス・インターナショナル(RFI)において「予想外のプロジェクト」と表現された。また、ブラームスとヴァスクスのピアノ四重奏曲を納めた2枚目の“Canti Drammatici”については、高名なグラモフォン・マガジンの中で、次のように評された。「アンサンブル・ラロは、嵐のようなブラームスのハ短調ピアノ四重奏作品に没入し、完璧に磨かれた、生き生きとした想像力を見せつけた」。3枚目の“The Seasons”は、2008年の秋にリリース。ソノロ音楽祭の協力を得て完成したこのCDには、アントニオ・ヴィヴァルディとアストル・ピアソラによる《四季》が収録されている。 ルーマニアとイタリア、日本で定期的にマスタークラスを開講しており、発展中のソノロにおいては、最も才能に溢れた若いルーマニアの音楽家に対する特別教育プロジェクトを展開した。 2009年から2010年にかけて、ウィーン(コンツェルトハウス及びムジークフェライン)、東京(武蔵野市民文化ホール)、ニューヨーク(カーネギー及びザンケルホール)、ロンドン(ウィグモアホール)でそれぞれデビューが決まっている。








